LYRIC


命が嗄れる前に

作詞作曲:コバヤシ カン

 

廃頽、僕の褪せた夢が胸に遺ってる

終点駅の朝焼けに足が竦んでいる

空っぽな僕だけを、何も無いと嘆いたあの君だけを

只、描いていたかった

 

どうしても僕には分からないままで

俯きがちな癖が抜けないな

君の言葉が見たいだけなんだ

 

どんな暗闇も照らすような言葉を、只

探し求めて此処まで来たから

正しさなんてもう分からないけれど

継ぎ接ぎだらけの心でも

僕が僕で居られるように

 

悲しみの先に何か在ると云うのなら

それはきっと虚しさだって想うからさ

聴こえないふりしても、正しいかどうかが気になってしまって、

もう眠れないからさ

 

挫けそうな想いが僕を追い掛けて

忘れようとした過去に縋り付いた

こんな僕もいつか変われるかな

 

さよならだって優しさも、

全てが虚しくなる夜も、それら全ての愛しさすらも、

今なら分かってるんだ

君を救う歌が描きたい

街の灯りが消えないように

たった一人で夢を見たように

 

どんな言葉すら足りないくらい

想い出して、優しい歌が唄えなくても

ただ思い返すは君のことばかり

この声が嗄れるその前に

 

どんな暗闇も照らすような言葉が、只

君の中に必ず在るから

虚しさも苦悩も全て連れ去って

必ず唄い届けるから

君が君で居られるように


アナスターシャ

作詞作曲:コバヤシ カン

 

伝えたい想いはどれほどの速さで

君のもとまで届いてくれるかな

陰る想いとくぐもった喧騒が

いつだって私の終わりを告げるから

 

夏の隅にあなたの影

大人になったらもう忘れてしまうかな

 

さよならと言ったあなたの声は

今でもずっと響いて心を刺すけど

あなたの傍でそっと生きようとしたから

そろそろ行くね。

 

風薫る夏の下、風鈴が揺れるように

陽の落ちる街で君は笑っていた

夕凪、夜鷹の果て、この空が続く場所で

終わりなんて知らずに、二人手をとって往こう

 

夜の隅にぽつり独り

あなたのことでさえ忘れてしまうかな

 

想い出の中の夏の匂いだけ

心の中の一つだけ私に教えて

忘れないようにそっと夜空にしまっておこう

 

変わらないあなたと、変わっていく私を

夏の中、何処でもいいからあの頃のままで

夏の隅であなたと二人、青く染まっていく

 

想い出の中のあなたのことも

夜が明ければこの想いも消えてしまうかな

あの日々と共にずっと忘れてしまわないように

 

さよならと言ったあなたの声も

夏の匂いも夕暮れも私の心ごと

この歌に込めてそっとあなたに届くように

忘れてしまわないように


花束を君に

作詞作曲:コバヤシ カン

 

 

零れた日々の色は全て灰色に見えた

あの日の雨上がりのバス停で

見つけた君は彩やかだったな

 

君の傍でそっと息をした

思い出の中に停まっていた

こんな気持ちじゃ君にはきっと届かないかな

情けの無い僕にも

ちゃんとしなくちゃね、って君が笑うから

 

悲しみの忘れ方なんて

持ち合わせてない僕らだから

ただ誰かに叫んでほしかった

未来になれない夜だって

僕だって解ってるから

言葉の代わりに花束を君にあげよう

 

いつもと違うこの部屋は

何も無くなったかのように

六畳一間の窓に

差し込む街灯に目が眩んでいた

 

孤独に慣れたふりをして

独りで夜に強がっていた

盲た目の儘に立ち竦んでいた

またいつか君に逢えたならば

お互いに大人のふりして

笑い合えるだろうか

 

何度だって描いていたい

僕だけ変われないままでさ

忘れたいことすら忘れていく

さよならなんて聞きたくないな

心ごと全部置き去りにして

君だけ大人になっていく

 

悲しみの忘れ方なんて

持ち合わせてない僕らだから

ただ誰かに叫んでほしかった

未来になれない夜だって

僕だって解ってるから

言葉の代わりに花束を君にあげよう


歩くような速さで

作詞作曲:コバヤシカン

 

 

あの坂を登って、君だけを追いかけて

夢さえずっと捨てられぬ疎かな僕たちは

君が泣けるまでここで歌ってたいって今は思っているから

だから此処で歌っているよ

 

優しい君は損をするばかりだったんだ

蹲って膝を抱えて涙も流せずにいた

遮断機が降りた線路を眺めていた

ごめんなさいと空に放った声は

警報機に消された

  

夕方5時に鳴るチャイムも

ゴミ箱に捨てられたあのプロットも

僕の中で青いままで残ってるんだ

もっと器用に生きられたらって

ごめんなさいってずっと思ってた

 

僕だけずっと

 

あの坂を登って、君だけを追いかけて

あれからずっと変われない疎かな僕たちは

君がくれたあの夏に縋ってたいって今は思っているから

今だけは忘れないように

 

生きていたいから

 

目を閉じながら1人で歩いていた

自分のその足音が僕を追いかけてくるんだ

川沿いで過ごした放課後

二人乗りした藍色の自転車

僕はまだ憶えているよ

 

忘れたくないことばかりだった

忘れられないことばかりだった

擦り切れたテープも、夕日も、

思い出も、半券も、この苦しさも、この歌も

 

君さえずっと

 

あの坂を登って、君だけを追いかけて

夢さえずっと捨てられぬ疎かな僕たちは

君が泣けるまでここで歌ってたいって今は思っているから

君だけに届くように

 

歩くような速さで


 モーション・ブルー

作詞作曲:コバヤシカン

 

  

滲んでいく想いとか、君の面影を追って

足早に消えていく、あの夏の一言

  

救いとか、青春とか、

くだらないなって君は笑った

満たされた夏空を

未だに掴めるだなんて

気の所為だって分かっていた

  

最低だ、そんなの詭弁だ

ありのままなんて間違った在り方だ

「今まで」と「これから」だなんて

そんなの分かんないって君が言ったんだ

 

あの夏の君へ  届けたいことがあってさ

君の好きな何かになりたかった

青過ぎた空に 遠すぎる夢を見てた

このままじゃいられないから

さよならを君へ

  

あの頃の君へ 忘れてしまっていいから

せめて君の為に泣いていてほしかった

色褪せた空に 遠すぎる夢を見てた

14歳のままの君へ

  

あの夏の君へ 届けたいことがあってさ

手遅れだなんて思いたくはないから

君に、今此処で唄うよ

此処に居るあなたならば

大丈夫さ、きっと

 

さよならを君へ


青の半券

作詞作曲:コバヤシカン

  

 

朝焼けが淀む部屋の隙間に差し込み

雑踏に揺らぐ君の心根を暴いていた

正しくなんかないって?

そんなのもう分かっていた

ただ頭を擡げていた

この気持ちに縋っていたいだけなんだ

  

伸びた影を踏んで帰った川沿いの道

二人で観た酷く儚いあの映画を

見に行こうよ、古びたあの街で

いつものように待ち合わせて

褪せた青色の半券が

まだ捨てられずにいるんだ 

 

ずっと待っていたんだ

あなたの頬に触れて気付く

消えない真似た癖や匂いも

いつか消えてしまう

  

君の髪が搖れて隠れたその横顔も

昏れた空が僕を裏切ることすらも

分かっていた、「いつか」が来るなんて

時間だけが僕らを諭した

褪せた写真の中の夕日に

いつか消えるあなたを想っている

あの街を流る恋歌も、

滲む想いすらも面倒だ。

ただがむしゃらに書き殴った

言葉だけが僕らを救った

 

ずっと待っていたんだ

あなたの頬に触れて気付く

消えない真似た癖や匂いも

いつか消えてしまって 

 

綺麗なさよならは言えないな

間違ったままでも傍に居たくて

あなたに焦がれていた

心が嗄れたらどうすればいい?

いつだってあなたを考えてた

今だけでも生きててよかったって

 笑ってよ

 

笑え


思い返せば、また 

作詞作曲:コバヤシカン

 

  

君が良かったな、煙草に火を付けて

もう終わってしまったことを思っては

全て間違いだとしても

僕だけがずっと終われないままだ 

 

例えば足が速かったなら

君が悲しい時に駆けつけられたかな

例えば嘘が上手かったなら

君の不安も全部騙せられたかな

 

そんな僕らの腑甲斐無い愛も虚しいだけで

君を想って泣けないその訳を

身の程知らずと罵られた暗い日々に

愛想を尽かしていた 

 

自分らしく生きてって

あなたらしく生きてって

明る過ぎたこの街じゃ

生きる意味も分からないな

自分らしさって何だろう

君を忘れてしまうなら

この僕さえ消えてしまえばいいのに

  

例えば煙草が吸えたなら

君の横顔をもっと見れたかな

例えばギターが弾けたなら

こんな歌も届けられたかな

  

例えば君が生きていたなら

有り余るこの愛を伝えられたかな

君に届かないとしても

まだ少しだけ歌ってたいと思うから

  

自分らしく生きてって

あなたらしく生きてって

君の理想になれなかった

腑甲斐無い僕は誰なんだろう

この声が届くのなら

君の名を叫べるのなら

ただ君と、また君と

 

って、思い返してる


心を叫べ

作詞作曲:コバヤシ カン

 

 

何も言えなかったあの日々を

未だに思い返すんだ

心の奥にしまい込んだあの言葉を

 

「弱音は吐くな」なんて言われた

「くだらない誇り」だって言われた

そんなこと聞く必要なんて無いから

  

「苦しい」「悲しい」

「泣きたい」「会いたい」

溢れる言葉を

つまりはあなたの心を叫んでほしいんだ

泣いたって今はいいから

転んだって今はいいから

あなたの心を叫んで

心を叫んで

 

傲慢だって偽善だって言われたって

僕は分かってるんだよ

捨てきれない心の叫びを歌ってるんだから

泣いたって貶されたって

救いたい夜が此処に在るんだから

あなたに会いにきたんだ

 

泣いたって今はいいから

転んだって今はいいから

 

あなたの心を

 

「苦しい」「悲しい」

「泣きたい」「会いたい」

溢れる言葉を

つまりはあなたの心を叫んでほしいんだ

泣いたって今はいいから

転んだって今はいいから

あなたの心を叫んで

 

心を叫んで


裂帛

作詞作曲:コバヤシ カン

 

 

「ずっと一緒にいようね。」

あなたはなぜか優しいから

その言葉に甘えてしまった私は

 

「今日はなんだか寒いね。」

困った顔で微笑んだ君

消えちゃいそうな笑顔に私は

  

ねぇ 忘れて、忘れて、忘れて、忘れたいよ

ねぇ 消えて、消えて、消えて、消えたいよ

ねぇ ずっと、ずっと、私を、離さないで

ねぇ 死にたいなんて言わないでよ

  

嗚呼、その気持ちも薄れてしまうだろう

いつかは、私も消えてしまうかな

まだ、その先を見ていたいだけなの

君さえ、いたなら何もいらないから

  

あなたを分かっていなかった、

私を許してほしい

あなたが悲しそうにするから、

鈍色の傷みを知った

  

嗚呼、この想いも忘れてしまうだろう

いつかは、君も消えてしまうけど

まだ、死にたくないと息をしている

愛さえ、あったら

  

嗚呼、欲張りな私を許してよ

いつかは、私を忘れちゃうなら

今、だけでいいの、私を見ていて

それだけ、でいいから


夜を越えて

作詞作曲:コバヤシ カン

  

 

明けない夜を越えて

苦しみや絶望の中で、叫びながら走ったんだ

生きてる、それだけで

いいんだと声を枯らしてさ、あなたに会いにいくよ

 

数え切れないほど、言葉を飲み込んで

空返事と僕の馬鹿な癖、涙を吐き出した。

忘れられるほど、賢くはなれないな

忘れてしまうくらいなら、馬鹿なままでいいんだよ。 

 

飛び込めばそれで満足ですか

あなたの明日はどうなりますか

あいつらはそれで満足ですか

ここで死ぬ覚悟さえもなかった

教室の隅で泣いていた

あなたが、あなたが、

抱えた明日を僕が照らすよ

 

明けない夜を越えて

苦しみや絶望の中で、叫びながら走ったんだ

生きている、それだけが

僕が僕である全て、あなたはどうですか  

 

僕は弱くて、足が竦んで

何者にもなれないけど

ただ、歌って、君を想って

独りじゃないって伝えたいだけなんだ

ねぇ、あなたの事を歌ってるんだよ

  

明けない夜を越えて

  

明けない夜を越えて

苦しみや絶望の中で、叫びながら走ったんだ

生きている、それだけで

いいんだと声を枯らしてさ、あなたに会いにいくよ